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PERで割安株を見つける!株式投資の重要指標を徹底解説

2025年5月2日

株式投資の世界では、数多くの指標が存在しますが、中でもPER(株価収益率)は、投資家にとって非常に重要なツールの一つです。
「この株は割安なのか?それとも割高なのか?」という疑問を持つとき、PERは有力な判断材料となります。
この記事では、PERの基本的な意味から、割安株を見つけるための活用方法までを徹底的に解説します。
株式投資を始めたばかりの初心者の方から、さらに知識を深めたい経験者の方まで、PERを理解し、あなたの投資戦略に役立てていきましょう。

PER(株価収益率)とは?【基本を理解する】

PER(ピーイーアール)は、Price Earnings Ratioの略で、株価が1株あたりの純利益の何倍になっているかを示す指標です。
企業の収益力に対して、現在の株価がどの程度の水準にあるのかを測ることができます。

PERは以下の計算式で求められます。

計算式

PER=1株あたり純利益株価​

たとえば、ある企業の株価が1,000円で、1株あたり純利益が50円の場合、PERは 1,000円 ÷ 50円 = 20倍となります。この20倍という数字は、「この企業の利益に対して、投資家は株価を20倍まで評価している」と解釈できます。

PERは、投資家が企業の価値を評価する上で非常に重要な指標となります。なぜなら、PERを見ることで、その企業の株価が相対的に割安なのか、それとも割高なのかを判断する手がかりになるからです。

PERから何がわかるのか?【PERの解釈】

一般的に、PERの数値が高い場合は、その企業の将来の成長性への期待が高い、あるいは人気があると考えられ、株価が割高になっている可能性があります。一方、PERの数値が低い場合は、株価が割安に放置されている可能性があると考えられます。

ただし、PERの解釈には注意が必要です。業種や市場全体の状況によってPERの水準は大きく異なるため、絶対的な数値だけで判断することはできません。たとえば、成長性の高いIT企業のPERは一般的に高くなる傾向があり、成熟した産業の企業のPERは低くなる傾向があります。

したがって、PERを分析する際には、同業他社のPERや過去のPERの推移と比較することが重要です。また、PERだけでなく、企業の成長性、財務状況、業界の動向など、他の要素と合わせて総合的に判断する必要があります。PERはあくまで数ある投資指標の一つであり、それだけで投資判断を下すのは危険です。

PERのメリット・デメリット【理解を深める】

PERは、株式投資において多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。

メリット

  • 株価の割安性を手軽に判断できる
    計算が簡単で、株価と利益という基本的な情報から割安性を判断する重要な手がかりとなります。
  • 同業他社や過去のPERと比較しやすい
    異なる企業や過去の自社のPERを比較することで、相対的な株価水準を把握できます。
  • 初心者にも理解しやすい指標である
    専門的な知識がなくても、基本的な意味合いを理解しやすいのが特徴です。

デメリット

  • 将来の成長性を考慮していない
    PERは過去の利益に基づいて計算されるため、将来の成長ポテンシャルを反映していません。
  • 業績が不安定な企業には不向きな場合がある
    景気変動に大きく左右される企業や、一時的な要因で利益が大きく変動する企業の場合、PERの解釈が難しくなることがあります。
  • 特別利益や一時的な要因に左右されることがある
    本業以外の要因で得た利益(特別利益など)が大きく計上されると、PERが実態よりも低く見えることがあります。

PERを有効に活用するためには、これらのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

PERの活用方法【実践編】

PERは、割安株を見つけるためのスクリーニングや、投資判断の参考として活用することができます。

割安株・割高株のスクリーニング
証券会社の提供するスクリーニング機能を利用して、PERが一定の基準以下の銘柄を探すことができます。
例えば、「PER15倍以下」といった条件でスクリーニングすることで、市場平均と比較して割安と考えられる銘柄を効率的に見つけることができます。

成長株投資におけるPERの考え方
将来の高い成長が期待される成長株の場合、現在のPERが高くても、将来の利益成長によってPERが低下する可能性があるため、一概に割高と判断できない場合があります。
成長株投資においては、PERの絶対水準だけでなく、成長率とのバランスも考慮することが重要です。

PERと他の指標との組み合わせ
PERだけでなく、PBR(株価純資産倍率)ROE(自己資本利益率)などの他の指標と組み合わせることで、より多角的な分析が可能になります。
例えば、PERが低く、かつPBRも低い銘柄は、割安である可能性が高いと考えられます。

具体的な銘柄分析の事例

ここでは架空のA社を例にPER分析を行ってみましょう。

  • A社の株価:500円
  • A社の1株あたり純利益:25円
  • A社のPER:500円 ÷ 25円 = 20倍

同業他社の平均PERが25倍である場合、A社のPERは同業他社と比較してやや割安であると判断できます。しかし、A社の過去のPER推移や成長率などを考慮に入れると、さらに深い分析が可能になります。

PERに関するQ&A【読者の疑問に答える】

Q:PERは何倍が目安ですか?

A
一般的に、PERの目安は市場全体の平均PERや業種ごとの平均PERと比較して判断されます。市場平均PERは時期によって変動しますが、過去のデータなどから一定の目安を知ることができます。ただし、PERの絶対的な数値だけで判断するのではなく、企業の成長性や財務状況などを総合的に考慮することが重要です。

Q:赤字企業のPERはどうなりますか?

A:
赤字企業の場合、1株あたり純利益がマイナスになるため、PERは算出できません。
このような場合、PER以外の指標(PBRなど)を用いて分析を行うことが一般的です。

Q:PERの最新情報はどこで確認できますか?

A:
各証券会社のウェブサイトや、株式情報サイトなどで、個別銘柄の最新PERを確認することができます。

まとめ

PER(株価収益率)は、株式投資における重要な指標であり、株価の割安性を判断するための基本的なツールとなります。PERの基本的な意味、計算方法、そしてその解釈を理解することで、より賢い投資判断が可能になります。

しかし、PERは万能な指標ではありません。PERのメリットとデメリットを理解し、他の指標と組み合わせながら、企業のファンダメンタルズな価値を見極めることが重要です。この記事が、あなたの株式投資の一助となれば幸いです。

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